この日に発表した「三奏者のアンプリチュード」は、フルート・ヴァイオリン・ヴィオラという緩やかな共通点を持つ3種の楽器を、どのように組み合わせて,どのような音色を作るか,というところに主な焦点を当てて書き進めました。
今回もまた、鋭くて繊細な奏者の音感覚と、三人それぞれのユニークな感性によって、拙作をカラフルに彩っていただき、感動です。
やはり書いたものが音になる喜びは、いくつになってもひとしお。
執筆を通して得た感触と、リハーサルから本番までの濃密な時間がまた、次の作品につながっていくのだろうとぼんやりと考えています。
作曲家にとって「本番」というと、さぞ緊張するだろう、と思う方もいらっしゃると思いますが,私の場合は、実はリハーサル初日が緊張のピークで、そのあと緩やかに落ち着いてゆき,本番は頼もしい演奏家に全面的におまかせして(というと無責任ですが)、一観客のような気持ちで客席に座っています。
今回もそんなわけで、本番当日は、初めて耳にする他の作曲家たちの新曲を,贅沢にもリハーサル・本番と合わせて2回ずつ、聴くことができました。
客席で聴いていると、曲と演奏が生んだ熱いエネルギーがステージからまっすぐ飛んでくるようで、圧倒されました。
さらには、昨今の状況下でずっとお会いできていなかった方たちにも久しぶりに会えたこともあり、しばらく使っていなかった頭の奥の方…にアクセスしたようで,目がギラギラした気がします。笑
2022年7月 堀優香