この作品は、ロシア民謡「コロブチカ」をモチーフにした変奏曲です。
「コロブチカ」はズバリこの曲。
「テトリスの曲」と言うと、「あ!」と思われる方も多いのではないでしょうか。
編成は、2台ピアノ6人12手。
つまり、1台のピアノに3人が腰掛けて、各奏者が両手で演奏します。(とても密な状態になりますね!)
全員が両手で、しかもforteで演奏すると、なかなかボリューミーな音になります。
曲は、モチーフの提示(ソロ)に始まりますが、徐々にモチーフの雰囲気も変化していきます。
たとえば、民族舞曲のように。
バレエ音楽のようにも。
そして、マーラー、ラフマニノフ、チャイコフスキー、スクリャービンといった、ロシアの作曲家の作風を取り入れたモチーフも。私がこの曲でやってみたかったことのひとつです。
ロシアには、生活の中に存在する音として教会の鐘の音というものがあって、その独特な和音は、ロシア人(作曲家)の中に根付いているのだろう。という話を学生の時に授業で聞いたことがあって、それがとても印象的でした。
たしかに、ロシアの作曲家の作品の和音には、複雑ながらも、和音の響きに共通感があるように思います。
そういった作品から、いろいろな「ロシアらしさ」を取り出してみたらどうだろう?と試みた作品です。