この作品は、4曲の小品から成るサックスとマリンバのアンサンブルです。
二人からの委嘱を受けて、そのときぼんやり考えていた「材質のちがいによる音色の特性」と「音で表現できる日本らしさ」をコンセプトにしてみよう、と執筆を始めました。
コンサートに先駆けて、まず1曲目をライヴで披露してもらい、そのときの感覚をヒントに、2,3,4曲目を書いていきました。
材質の違う二種の音が、二人の繊細な感覚によって、うねりを合わせていくように一体化する過程を隣で見せてもらうことで、「今度はこうしてみよう!」というように、どんどん書くことが楽しくなるのです。
自分の作品が音になることで得るものは多いのですが、波と波乗りのように音の空間が紡がれる過程を追ってこれたことも、今回の大きな収穫のひとつです。
二人がゼロから立ち上げたコンサートの中に、私の新曲を組み込んでいただいたこと、とても嬉しく思います。
さて、コンセプトにした「材質のちがいによる音色の特性」、「音で表現する日本らしさ」ですが、まだまだ追求は続きそうです。